月の見たモノ

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一族

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父方の叔母が亡くなった。
長い間父方の親族は喧嘩したまま、つきあいがなくなり、父も母も葬儀には参列しないと言う。

叔母は病に倒れ、記憶も曖昧になっていたけれど私達姉妹のことは、ちゃんと覚えていてくれた。

偶然ショッピングモールで会った時には、囁くような小さな声で「じゃ、みんなでご飯食べに行こうか」と言ってニコニコしていた。

もう叔母は喧嘩したことなんて、記憶になかったのかなと思った。

そんな叔母に最期のお別れを言いたかった。私はjunと二人お通夜の会場へ出掛けた。

たくさんの人が集まっていた。

賑やかな音楽に合わせて、素敵なステップで楽しそうに踊っていた叔母。おいしそうにタバコをふかしていた叔母。かけっこなら負けないわよ!と、 走り出して2秒で転んだ叔母。色んな時の叔母の姿が思い出された。

親族の席には、なかなか会えない大好きな伯母の姿も見えた。私は伯母の目をしっかりと見つめて大きく頷いて見せると、伯母の口が声を出さずに動く。

ヒロ、ありがとう

伯母の声が聞こえるようだった。junの姿も確認できた伯母は、大きな涙をポロポロとこぼしながら、何度も何度も頷いていた。

一言も言葉は交わせなかったけど、伯母の温かい目は全てを語っているようだった。

御焼香を終えると、従兄弟が大きな手を差しのべてきた。

「よく来てくれたね…ありがとう…」
「こんな時ばかりでね…」

それだけの会話。だけど充分その気持ちはわかった。

会場を後にして、喪服のままjunとラーメンを食べた。昔話や叔母の思い出話。

「ヒロ、あんたやっぱり偉いね…さすが長女だよ。しっかりしてるよ。私なんて言葉が出ないよ」

一言、二言しか話してない。だけどjunにもそれで充分気持ちが通じたんだろう。

親族席の一族の顔は、みんな温かい目だった。どのツラ下げて来たんだ!なんてこともなく、叔父も従兄弟もみんなこちらを見て頭を下げていた。

甘やかしてもらった。女の子が極端に少ない一族だから可愛がってもらった。その一族が今は言葉も交わせないなんて、本当に寂しいなと思う。

下のお兄ちゃんの手を握ったら、いつもと同じように照れた顔をした。
「フフ…なんだよ…。来てくれてありがとな」

ほんとは、何にも変わってなくて、私達はどこかで同じ血が流れてて、憎み合ってもいないし、親達のいざこざに「参っちゃうね…」なんて肩をすくめているだけなんだろうな。

みんなが幸せであるように。
みんながまた笑いあえるように。

そんな日がまた来るといいな。
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by syu1212h | 2012-12-14 23:36