月の見たモノ

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八丈島

夢に見る。何度も何度も見た夢。

坂を上るとあの人の家が見える。時にはその家は跡かたもなく消えていて、時には森のように木が育っていてあの家が見えなくなっていた。

そして玄関を開けても、会いたい人はいつだって留守で、会いたい気持ちだけ残して私は帰ることになる。

夢はいつも目覚めの悪い夢だった。

「またね」と言った日から、何年経ったんだろう。
またね・・・の、また!は、すぐそこにあると思っていたから、すぐまた会えると思いこんでいた。
だけど、気が付けば私たちは夢でさえ会えないほど遠い距離になっていたんだな。

八丈島の末吉小学校。この学校の歴史が終わりを迎える。
子供たちが2年間過ごした島の学校。卒業した娘に「閉校式のご案内」が届いた。

もうあの学校がなくなる。そう思ったら、今行かなくちゃ!絶対行かなくちゃ!と思えた。

私が送るラブレターに返事はない。忙しいからなのか、心が通じないからなのか・・・。
色んな不安はあるけれど、私はどんな答えだったとしてもあの場所で会いたい。

島にいた頃「なーんにもない」ってことがどういうことなのか、少しわかったつもりでいた。
東京に暮らす便利さを、便利とも思っていなかった私にとって、コンビニもデパートもない暮らしは驚きだったし、映画やコンサートっていうのは行きたい時にいつでも行ける場所だったはずなのに、CMで見る新作映画の紹介もなんだか遠い国みたいに思えたのも不思議だった。

だけど、なーんにもない島に暮らしてみれば、そこには今まで知らなかった事が、今まで見てこなかったものが、山のようにあるってこと。

お金を出して買う事以外にも、自分のものになるってことがたくさんあるんだってことに感動した。

お母さんみたいに慕ったあの人も、教科書みたいに楽しい生き方をわかりやすく教えてくれたあの人も、山の楽しさを教えてくれたあの人も、人に与える喜びを教えてくれたあの人も・・・あの島できっと今も笑っているんだ。

年賀状だけのお付き合いになってしまった島の人たち。それでも、今だって「ブログ見てるよ」と声をかけてくれて、それだけで私がどんなに喜んでいるか、島の人の心の片隅に置いてもらっているだけでどれだけ嬉しいか・・・。

故郷というのを持たない私の「帰りたい場所」がそこにある。待ってる人がいないとしても、やっぱりあの景色の、あの海の青さの、あの山の美しさの、あの場所を想うと胸がギューっとしてしまうのだ。

飛行機のチケット、ホテルの予約、レンタカーの手配。あっという間に終わった。
もう行く事に決まったんだ。子供たちは仕事があるので1泊しかしないけど、私と主人はもう1泊して島を見て回ろうと思っている。

毎回島に行くと「帰りたくなーい」と言い張って、飛行場で一人残って家族を見送った。毎回「あんた、またぐずるんじゃないでしょうね?今回はちゃんと一緒に帰って来ようよ」と、母に叱られ・・・それでもやっぱり飛行場に着くと「やっぱり帰りたくなーーーーい!私、残る!先に帰って!お願いっ!」と、大騒ぎした。

時間だけはたっぷりある私のわがままは、毎回家族を怒らせ、毎回「あと2つ泊まってから帰るぅぅぅぅっ!」となるのだけど、今回は主人が一緒なのでそうできないだろうな・・・(残念)

心だけ、先に島へ旅立ったみたい。目を閉じるたびに島の景色が浮かんでくる。

楽しみ・・・。本当に楽しみだよ。
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by syu1212h | 2013-01-04 11:13 | 日々の事