月の見たモノ

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お別れかもしれない

先日、リビングから主人の大きな声が響いた。
「ヒロ!ナナが・・・」

「なぁに?ナナがどうしたぁ?」私はミシンを掛けているところだったので、手を止めてゆっくりリビングに入った。

主人がナナの横に立っている。
その足元でナナは不自然な方向を見て揺れていた。

「何?ナナ、どうしたのっ?」めまいがしているのか、体は変に揺れて、首は傾き、振り返るように変な方向を向いている。

「なになに?どこか痛いのっ?ヤダッ!ナナッ!ナナッ!」

私はどうすることもできずにただナナを抱きしめるしかなかった。

呼吸が荒い。自力で立つ事も出来ない。ナナの体を撫でながら「大丈夫。大丈夫」そう言っていた。

一人で歩けないのに、必死で立とうとする。それを支えながらついて歩いてあげると、ヨロヨロと部屋を一周する。

気が済んだのかまた寝息を立て始めたけど、ナナの体のどこかが壊れているんだということはわかった。
それがどこなのかはわからなくても、異常が起きていることだけはわかった。

朝方、またナナが立ち上がれずにジタバタして鳴いた。
付き添って歩いてあげるとおしっこシートに乗ったのでオムツを外した。

いつものようにおしっこをして立ち去ろうとするナナの後ろに見えたのは血尿だった。
「あ・・・・」目の前が暗くなるようだった。

ヤダヤダヤダ・・・・ナナが壊れちゃう・・・そう思う自分と、ナナは充分に長生きしたはずでしょ?と思う自分が心の中で同時に声をあげているようだった。

「ナナ・・・まだ涼しいから、屋上行こうか?」
夜明けの時間、うっすらと明るくなり始めた空を見ながらナナを屋上に連れ出した。

ナナは屋上に点々と血尿をこぼしていた。もうオムツをすることもかわいそうで、ナナが帰りたくなるまでここに居てあげようと思った。

家族はまだ寝ている時間だけど、ラインでナナの状況を伝えた。
junはすぐに返事をくれて「あとで病院つき合うから寄って」と言ってくれた。

病院に連れていき
「先生・・・今度だけはすごく悪そうなんです。自力で歩けなくて、痙攣したりして、血尿まで出てしまって・・・」
今までの事を説明すると先生は
「ナナちゃんも高齢だから、あちこち悪くなってるものね・・・。とりあえず検査させてくださいね」と
ナナの血液と尿をとった。

レントゲンも撮り、色々な角度から今回の血尿の原因を調べる。

「あの・・・去年のデータと比べてるんですけど・・・」
先生の慎重な声がちょっと高くなったような気がした。
「変な話、去年と比べてあたり前のように悪いと思っていたんですが・・・何も悪くなってません」

へっ?

「先生、あの・・・・命の危険とか無いんですか?すごく調子悪い感じがするんですけど」
「そうですね・・・。確かに様子を見ていると落ち着かない感じがしますね。でもね・・・数値的には悪くないんです。この血尿も検査結果から言うと尿道炎、膀胱炎の可能性が高いです。命の危機とかいうレベルでお話するならいたって元気です」

ウソッ・・・・

ナナ・・・元気なの?

先生がいうように、膀胱炎の薬を飲んだらすぐに治った。脚がもつれるのは年齢的なものだそうだ。
心臓も、肺も年齢相応に悪い。だけど18年生きたら、すでに寿命を越えている状態なのだからあちこち悪いのも当然なのだ。

先生の力強い「いたって元気」と言う言葉が、さっきまでの頭の中の霧を吹き飛ばしてくれたようだった。

あぁ・・・よかった。これならまだまだ一緒に居られる。
まだまだ長生きしてもらいたいもの。
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by syu1212h | 2013-09-17 12:17 | ナナ